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zoom RSS 総集編猪苗代湖から磐梯山表裏(平成25年7月12日)

<<   作成日時 : 2013/08/04 19:18   >>

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 県外の山に登ろうと思うが、県内と違って、そう何度も行けない。山頂に立つだけならば最短コースが当然、楽であるが、それでは、百名山ハンターになりかねない。深田久弥の原点を参考にして、山の素晴らしさを実感できる、コースを選びたい。今回の磐梯山のコースは歩行時間が8時間30分とまずまずで、楽に日帰りで楽しめた。欲を言えば櫛ヶ峰にも登りたかったが、時計回りで火口原を歩いてからの足の疲労度と強風のために、断念した。それと、弘法清水から天狗岩台地のお花畑に寄れなかったのも残念だった。中ノ湯分岐に下る前に寄ってみればよかった。沼ノ平から登り返すには、同じく疲れたからだでは余力がなかった。しかし、深田久弥とほぼ同じコースを歩いて、磐梯山の表と裏を堪能できた満足の県外遠征だった。
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 磐梯山と向き合ったのは野口記念館に家族で行った6年前だった。誰でもそうだろうが、山に向かうと心が洗われる。そんな山の一つが磐梯山だ。去年の飯豊本山の途中で端正な磐梯山の三角形の山容を下山して来られて方から教えて頂いた。今年の春には番城山から雲に浮かぶ磐梯山のシルエットを望んだ。こうして、3度の対面が、私のなかで磐梯山登山の憧れを強めた。
 高速のインターを下りるとゲレンデが山肌を削っているのがわかった。猪苗代スキー場登山口は右側のゲレンデだろう。車を右に旋回させて、静かなスキー場駐車場に着いた。僅かに雨がフロントガラスを濡らしていたが、雨具を着る程ではなかった。ゲレンデの緑のなかを漕ぐが、しばらくするとゲレンデの作業道路に出た。どんよりとした早朝の道は、これからの憧れの登山に向かう心に、すこしの不安をもたらした。振り返ると猪苗代湖の雄大な湖面は静かでそのままだ。
 こうして振り向けば猪苗代湖が望まれる、このルートを選んで良かった。これにはブログでコメントを一度頂いたkoizumiさんから教えを受けた。koizumiさんは福島の方で飯豊を知りつくされた私の敬愛する登山人だ。作業道を大きく右に回ると、また登山道の標識があった。そこからもゲレンデの縁を登り続けた。飽きれば猪苗代湖が励ましてくれる。
 やっと山道を登る。風が強くなって肌寒い。誰にも会えなくて家から遠いこともあって寂しくなった。こんな時は音楽を聞く。展望も良くなって一号目の山の「天の庭」に着いた。そこからは大きな石が山道を塞ぐようにある。磐梯山噴火の石だろうか。赤埴山分岐を見送る頃にはガスに隠れる磐梯山の尾根も見えて来た。
 赤埴山山頂からの道が合わさる頃には登りは緩くなりダケガンバの林が美しい。鏡ヶ池は緑で被われ、ニッコウキスゲの朱色も隠れている。湖面はあったのだろうか。だから、みなもに映る磐梯山も見あたらない。ただ、緑を削がれた茶色の岩稜の先が雲に隠れて、頂きはいっそう不気味な風格を漂わせる。
 沼ノ平にはコウリンタンポポの朱の花が目につく。日差しのない寂寥とした原と焼けた山肌を見ていると、このタンポポも火山帯の主のようで不気味に思えてくる。
 池が見えたので、渋谷口からの登山道に立ち寄ってみた。有毒ガスに注意との看板があったが、今のところは気にならなかった。コメツツジが櫛ヶ池脇の丘に咲いていた。目印はあるが、踏み跡も僅かで、道を外して有毒ガスに遭遇しかねない。そう思ったのが帰路に現実となった。
 分岐まで戻って山頂を目指そう。だんだん天気も良くなって、山頂を隠すガスも次第に薄くなってきた。川上登山口からの道を合わせると、標識の上に天狗岩の先が重なる。黄金清水で初めての休憩をとる。冷水に元気を貰う。ついに磐梯山山頂のガスが晴れた。弘法清水は誘惑に負けず通過して、一気に山頂へ。
 山頂では猪苗代湖を眼下にお一人が休んで居られた。邪魔しないように、朝食の残りのパンを食べる。遮るもののない展望を楽しんで下山しかけたところで三角点を忘れていたのに気づいた。案内書には三角点は失われたとあったが、探すまでもなくしっかりタッチできた。さあ、これから裏磐梯を一回り。
 弘法清水で顔を洗った。水はまだ十分だった。声をかけられたがお腹も体も余白はなかった。八方台から登ってくる方と何度かスライドした。あと、どのくらいと聞かれたので、GPSを高度計に切り替えて答えてみた。夏の日差しを受けて、ダケガンバの薄茶の肌が緑に浮かびあがる。下り坂を急ぐと、体から頭まで暑くなって来た。桧原湖のビューポイントで三脚を立てていた。山頂からはもっと綺麗なのに、と心でつぶやいた。中ノ湯跡の分岐前に沼が見えた。そこを過ぎて右に曲がると道はぬかるんでいる。整備された階段を下ると年配のご夫婦に中ノ湯跡まで、あとどのくらいか、尋ねられた。もう少しですから、と答えてから、私のルートを話した。お若いですねと言われ嬉しかった。裏磐梯の緑が心地よい。
 銅沼までの道には石のダクトらしいものが埋まっていた。温泉でも引いているのだろうか。沢があったので火照った頭を冷やした。沢の石は茶色に染まり、水も錆臭かった。前方に櫛ヶ峰の赤銅色の山容が見えてくる。銅沼が樹林から見えてきた。
 銅沼の湖畔に立つ。原初の景色を感ずる。まだ、生命の息吹が生まれる前の、地球の拍動。近づきがたい恐れに竦む。しばし、歩くと長閑な裏磐梯の風を感じる。大きな標識もあって、観光客に戻った気分で安心する。それほど、銅沼のインパクトは強かった。
 火口原はただ、石だけの広い原だった。できれば登山コースを記す目印も消して欲しかった。そこには、人工のものが、付け入る隙がない程の荒涼だけが感動を生む。一人残された人間のように、火口原を彷徨ってみたい。
 先にも書いたが、火口原からの破線の登りの取りつきで迷った。結果的にGPSに頼ってしまった。崩壊が進んだ崖を登り詰めるようなルートはおかしいと思い、GPSにあるルートまで藪こぎしたら、視界が晴れて赤布が目の前にあった。踏み跡を辿ったつもりだったが、おかしいと思ったら、まず、後戻りすべきだった。目線が近すぎた。もっと前方を見て、地形を読み解く努力が足りない。
 ルートに戻ったところで、12時になった。日陰に座っておにぎりを食べた。凍ったお茶のペットボトルと一緒にザックに入れたノンアルコールビールが冷たく、喉を潤す。すこしくたびれた。そこに蝶が飛んできた。弁当の包みに停まっている。捕まえるでもなく、写真に収めるでもなく、ただ、その翅を眺めていると、元気がすこしだけ戻ってきた。櫛ヶ峰が天空に突き出ている。さあ、もうひとつのてっぺんをめざそう。
 7月の太陽はほぼ真上にあって、磐梯山北面を登る、私の頭上にも日差しを注ぐ。休んだ筈だが、思うように足が上がらない。崩れかけた崖には鉄の柵があるが、私の体重を支えきれないかもしれない。傾きかけた鉄棒は土から浮かび上がっている。足を停めると、背後から桧原湖が顔を出す。遮るもののない斜面は暑すぎるが展望は最高だった。岩の影に紫色の花が一輪、萎れて見えた。写真に撮る程でもなかったが、それがバンダイクワガタだったかもしれない。
 ガレ場を揺れながら歩くと、櫛ヶ峰との分岐の前にはロープがあった。その分岐をショートカットして櫛ヶ峰の尾根に取りつく。すると強風が吹く。両側に切れ落ちた尾根は距離こそ、たかがしれていたが、自己責任で登るには、疲労と風が邪魔をして気力まで癒えてしまった。
 黄金清水まで登って水を補給しようか迷ったが、あと2時間足らずで登山口まで帰れそうなので、櫛ヶ池経由で下ることにした。結局、天狗岩のお花畑にも寄れなかった。川上登山口からの分岐までもどって往路を折り返してもよかったが、櫛ヶ池まで踏み跡が僅かに見えたので、トラバース気味に櫛ヶ池に向かうと硫黄臭がした。標識に注意書きがあったのを思い出し、しまった、と思った。すぐにハンカチで鼻口を覆い、池から離れるようにして、往路のT字分岐に戻った。安全な場所に移動してください、といっても、安全な場所はどこなのか、と突っ込みたくなる標識の意味がわかったような気がした。
 登山口までは休まず歩いた。3人の女性パーティに会ったが、この時間から山頂だろうか。女性のパワーは計り知れない。高速SAでラーメンを一人啜った。できれば、県外遠征は賑やかに登りたいものだ。


猪苗代スキー場登山口(5:38)ー天の庭(6:50)ー赤埴山分岐(7:09)ー天狗岩(8:19)−弘法清水(8:44)−磐梯山山頂(9:05−9:28)ー中ノ湯分岐(10:33)ー銅沼(11:08)ー噴火口分岐(11:48)ー昼食(12:02−12:15)−沼ノ平(13:01)ー猪苗代スキー場登山口(14:37)

磐梯山    1816m
  
往路    3時間27分 
復路    5時間09分 
移動距離  20.2km
総上昇量  1618m

往路で20分くらい沼ノ平(渋谷登山口分岐から)を散策した。復路も同付近北側を歩いたが硫黄臭く、危険が感じがした。噴火口分岐からの登りで崩壊箇所が二つの尾根になっているが、左側を歩いてしまって、迷い、GPSで修正した。崩壊箇所から目印はあるので、見あたらない際はもどったほうがいいだろう。

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