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zoom RSS 総集編樹氷原から熊野岳(平成26年2月1日)

<<   作成日時 : 2014/02/19 20:32   >>

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 山形に住んで40年近くになるのに樹氷も見たことがないとは山のブロガーとしては恥ずかしい思いがある。今年の蔵王の樹氷は例年より育ちがよく、ライトアップが始まった好天の週末、重い腰を上げた。
 蔵王温泉は多くの人で活気づいていた。ロープウェイの駐車場は満車で、当然路上駐車できるようなスペースはなくなんとか一日1000円の有料駐車場に滑り込んだ。ライトアップに備えて2日分の料金を支払ってザックにワカンとストックを結び出発する。ロープウェイ乗り場は階段の下までの列で6列で並ぶように言われた。前の列には黒人と白人の女性2人組、後ろにはドイツ語と日本語を使い分ける男性たちとにはさまれた。ロープウェイに乗るまで30分くらい待たされた。まわりで咳をしてきるのが気になった。ロープウェイは満員電車のようでザックの分だけ余計に場所を取ってしまう。樹氷高原駅で乗り換えるがスキーヤーが大勢待っていたが優先して乗り換えできた。地蔵山頂駅に付くとワカンを履いた。駅を出るとスキーヤーや樹氷見物の観光客が大勢いた。ワカンを履いているのは私だけのようだった。踏み荒らされた雪の上から地蔵岳を目指す。
 樹氷の他、周りは観光客ばかりの中、ワカンにストックをついて地蔵岳まで登る。途中で薄手のインナーの手袋だけなのに気づいた。地蔵岳山頂でザックを下ろして厚手の手袋をはめる。標識には風になびく旗のように一方向に伸びるエビの尻尾が見えた。地蔵岳を過ぎると観光客はいなくなり、標柱の下に残るトレースを辿って熊野岳を目指した。中丸山が銀色に輝いて熊野岳の裾を飾っている。
 蔵王に何度か登ったがこんなに展望に恵まれたのは初めてだ。雁戸山から大東岳までの脊梁が樹氷の向こうに横たわって見えた。その稜線が馬ノ背に繋がるところから二人が雪原をこちらに向かって歩いてくる。夏道を外れてストックも持たずに逍遥しているようだ。ワサ小屋跡もすっかり雪に隠れて過ぎ去ったのかもわからない。私は忠実に夏道コースを辿り熊野岳を目指す。振り返るとカメラをもった男が後ろをつけて来たがその姿もいつの間にか見えなくなった。寒風が吹き荒れる。
 熊野岳山頂の近道の分岐点。踏みぬきが怖くて避難小屋のあるお釜の方に進む。天気は上々だ。もう誰の姿も見えない。と思ったら避難小屋近くに人の気配がした。ここから山頂まではすぐだ。トレースが幾つも残っていた。もうじき3時だからみんな素晴らしい銀世界を満喫して下山したのだろう。向こうに熊野神社の屋根らしき雪の塊が見えた。夏でもガスで煙ることがばかりだった稜線を展望を楽しみながら一歩づつ進む。あっと言う間に山頂。変わり果てた熊野神社だけが登頂の証となる。まるでハリネズミのようだ。
 山頂の標識は雪で隠れうっかりすれば中丸山の方に下りそうになった。風を遮るものもないので展望を十分に満喫した後、まだ見ぬ雪を被ったお釜まで歩を進める。稜線から外れ風紋の綺麗な斜面を下る。風紋の写真を撮ろうと目線を下げて腹這いになろうかと思ったが童心には戻れなかった。氷点下の雪原に一人寝そべって翳り行く西の空をみて一日を終えられたら何十歳も若返られただろうに。もうすぐお釜だ。
 お釜はあのエメラルド色を雪に奪われて単一なグラデーションを見せていた。まさに死を思わせるような奈落の入り口を眼下にして一人でいることの心細さに取りつかれた。早く人の気配のするほうに向かいたいと馬ノ背を登った。避難小屋の小さなドアを開けようとしたが駄目だった。コツがあるのか凍りついてしまたのかわからない。しかたなく風がしのげそうな方に座って遅い昼食にした。甘いものが心まで温めてくれた。空はもううすくサーモン色に変りつつある。風は経験したことのないほどに冷たくゴーグルの下までネックウォーマーを引き上げて、さあ帰ろう。
 下り始めると間もなくして男女の若いパーティがこちらに向かって来た。女性は苦しくなったのか口を覆っていたマフラーをちょうど取ったところで、その笑みが覗いて見えた。迷わず山頂に立てることを祈る。ゴーグルを通して地蔵岳の雪嶺は朱色に見えた。カメラに捉えた輝きを確かめたくてゴーグルを外す。まだ白く光っているとわかったがすぐに寒風が頬を刺して来た。それを我慢して歩き続けると、翳り行く日の映し出す暖かみが氷付く雪面に伝わる。薄桃色に色づく樹氷原はいまは裸眼にも優しい。思い出して先ほどの二人を探しに振り返るとその二人の間はかなり離れてしまっていた。山頂からの近道を下って来ていて足場が悪いためだろう。どちらが先頭だろうか。いつの間にかそれも高まりに隠れて見えなくなってしまった。
 山頂駅が見えて来た。これから地蔵岳に登る外人さんとスライドした。樹氷を間近に見ようを辺りを彷徨ったが日が翳ってきたのでライトアップまで待つことにした。スキーヤ−はザンゲ坂コースの最後の滑りを楽しんでいた。ワカンを脱いで山頂駅に入って行く。窓越しに樹氷原を眺めたりして待った。
 山行を終えてロープウェイ乗り場のある地蔵山頂駅の中に入った。寒風に吹かれたからだを温めてくれるものが欲しかった。4時20分を回っていた。5時のライトアップまで営業してなかった。なかにはライトアップを待つ人で賑わっていた。ザックをテーブルの脇に置いて私も座った。向かいの席にはジャンパーを着ても寒そうにしている男が座って窓の外を見ている。周りの人たちはほとんどがグループや家族連れやカップルで海外からの旅行者もいた。そんな中でザックからチョコレートを出して窓の外の巨大に太った樹氷をぼんやり眺めていると寂しくなった。たぶん岳人は私一人だろう。スキーやボーダーはいるだろうが山に求めるものが違うような気がして山小屋にいるように声をかける気にはならなかった。営業が始まっても暖かいものをたのむ気はなくなった。薄暗くなった外に出て人工の灯りを受けた樹氷群を見ようと近寄ったら、その中には入らないで、と叱られた。明るいうちは多くの見物人がいた場所は芝居小屋の薄暗い舞台になり下がっていた。

蔵王ロープウェイ山頂駅(12:55)−地蔵岳(13:13−13:18)−避難小屋(14:08)−熊野岳(14:20−14:26)−お釜(14:38)−避難小屋(14:52−15:10)−蔵王ロープウェイ山頂駅(16:10)

熊野岳 1841m
往路    1時間25分
復路    1時間25分 
移動距離  5.6km
総上昇量  389m

熊野岳まで夏道を歩く。ワサ小屋跡からのペンキのある岩場からの直登ルートは避けた。熊野岳からお釜まではほぼ直線的に下った。危険個所はないように思ったが風対策にゴーグルは必要だろう。大きめのネックウォーマーを目の下までしてゴーグルで押さえて完全武装が良かった。
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