HITOIKI Blog

アクセスカウンタ

zoom RSS 総集編うるしさんと1月の山形神室(平成26年1月25日)

<<   作成日時 : 2014/02/05 22:41   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 1 / コメント 0

 うるしさんを助手席に乗せて関沢インターに向かう。駐車場には1台の先客があった。うるしさんはモンベルの冬用長靴にワカン。私はモンベルの冬靴にワカン。つま先の強度では私が勝るがスパッツもいらないうるしさんは身軽そうだった。先週も歩いた林道を少し登った所でワカンの先端がだらりと地を撫でる。前方のベルトの糸が解けてしまってただの布切れになっていた。これではワカンで歩けない。ふたつを並べて林道脇にデポしたら帰りには忘れ物のように木にぶら下がっていた。
 歩き始めたばかりで雪山の最も頼りになる道具を失ってしまった。林道の積雪は1週前より増えていなかった。笹谷峠までならば3月の残雪期にスパイク長靴で登ったことがある。うるしさんを先頭にしてラッセルしてもらうことにした。
 踏み固められた道は適度に締まっていて歩き易かった。気温も高めで枝に残った雪から水滴が垂れていた。キックステップで滑ることもなかった。山ブドウの実が雪面を紫に染めていた。峠に着くと先頭は私になってハマグリ山を目指した。トレースが残っていた。先週の私のワカンの跡もあるのだろうか。ここも新たな積雪はなくワカンがないほうが斜面を斜めに歩き易かった。灌木の埋まった雪の斜面は天候と雪の状態によっては雪崩の危険があったが、新雪もなく雪が融けだす程の気温の上昇もなかったので注意して横断した。
 大関山とハマグリ山との鞍部に着いた。北側の展望は悪くトンガリ山が何とか見える程度だった。雪は1週前より柔らかでつぼ足でも滑ることはなかった。ハマグリ山の頂標までの稜線が真っ直ぐに続くところでコンパスを出した。ほぼ北を向いていた。地形図で示されたハマグリ山頂に立っていることがわかった。ハマグリ山の面白い頂標は地図の山頂よりはかなり北にあることが初めてわかった。稜線の西側にある夏道も確認できた。当然歩き易い稜線を辿った。何とかハマグリ山の頂標に着いた。ここで写真を撮り合った。いよいよハマグリ山からの急坂を下る。ヒールで雪を掴んで、一歩ずつ。
  右側が雪庇だとうるしさんに声をかけた。トンガリ山までは一直線に進む。雪は適度に硬いが凍っておらず、つぼ足で快適に登れる。山頂直下はストックを短めにして上体があまりに後ろにいかないように気をつけた。トンガリ山山頂は1週前と積雪は変わりないようだった。ここから目指す山形神室はガスに隠れ視界は数10mくらいだった。迷いが出てはうるしさんに悪いと思い立ち止まらず進んだ。灌木が雪で隠れているためか、大きな凹凸のある下りで平坦な所を歩こうとすると左手に雪庇が見えだした。これはおかしいとコンパスを出すと南に向かっていた。そのまま自分のトレースを引き返し先週の記憶を辿りながら北に進路をとった。なんどかまずい、と口にしたのでうるしさんも動揺しているかもしれない。彼もザックからコンパスと地図を出した。視界が悪い中でコンパスで確かめながら雪原を歩くと見覚えのあるエビの尻尾が融けだして変容していた。初めてGPSで軌跡を確認した。
 視界が悪いから目指す頂きも見えない。たぶん山頂からの展望もないだろう。でも登頂したい。それが危険であれば、その判断をすれば撤退しよう。最低限の視界と雪の状態から登山継続と決断した。雪はここでも先週よりも柔らかく滑ることはなかった。突然の踏みぬきで足を痛めることのないようにストックに助けられた。ワカンがないだけ足を引き上げるのが楽だった。山形神室山頂までの最後の坂は何処を歩いても抜かって仕方がない。そのたびに方向転換した。それはワカンを履いたうるしさんも同様だった。エビの尻尾というよりは怪獣の背中のような巨大な鱗に被われた山肌からもようやく解放されようという時、頂標らしき雪の塊が視界の向こうに見えだした。
 アクシデントがあったが何とか予定通りに二人で山形神室に登頂することができた。頂標がなければ通り過ぎてしましそうな雪原で写真を撮り合った。風を遮れる場所もなく二人並んで食事にした。北からの強風でカップ麺は口に入るまでに冷え込んでしまい、挙句に飛んでいった。食後にお汁粉を食べた。ひといきで飲み干したが美味かった。後は折り返すだけ。みぞれが降り出した。頬に一筋の傷を残した。うるしさんは修行のようですね、と一言いった。しめた、と私は思った。山の厳しさが体験できたのだ。楽しいだけの登山を私は望まない。寂寞とした山行が共にできて嬉しかった。
 帰路は自分のトレースを見失わないようにとただ下ばかりを見て歩いた。日差しはなく風も強い。早くこの場から立ち去りたいのと、迷わないようにとの気持ちから、自然と速足になった。トンガリ山を過ぎた所で前方にカメラを向けると一瞬ガスが晴れた。ハマグリ山まで戻るとやっと安心した。ワカンもアイゼンもなかったが転ぶこともなかった。往路では見かけなかったトレースを見つけた。ハマグリ山までで折り返したのだろう。笹谷峠までの下り坂はガスの向こうに灌木が霞んで見えた。足を止めてその霞んだ冬山にいっとき包まれていた。
 笹谷峠までの雪原は何処を歩いても膝までぬかってしまう。雪山は高い所だけでなく低くなってからも苦労する。笹谷街道を下ると雪は緩んで沢を埋めていた雪橋にひびが入っていた。そこは踏まないように飛び越えた。沢に下る岩の間からの流れも何時もは氷の柱ができているのに今はそれも見えない。ワカンをデポした道まで下りて来た。道端の雪に挿しておいたのに見あたらない。見上げると山形の小正月を彩る団子木飾りの鯛のようにぶら下がっていた。誰かが忘れないように枝にしっかりと結び付けてくれたようだ。これからも大事に使いたい。
画像

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
二ツ森山直登(平成28年2月28日)
 山形県と宮城県の県境稜線にある二ツ森山に山形県側から直登するため、上山市の萱平に駐車した。九十九折の林道をショートカットしてと、数年前に挑戦したが林道は雪の吹き溜まりがあって、断念した。それでは尾根筋を辿ればどうか。双児峰である二ツ森山の北峰に繋がるP943の取り付きまでは沢筋を詰めなくてはならず、踏み抜きが怖くてやれそうにない。それで北峰の北東にあるコブに繋がるP1025なら、P763を目指して取り付けば、なんとかなりそうだ。今年の2月7日に下見をしたようにP763への西尾根の北側に伸... ...続きを見る
HITOIKI Blog
2016/02/28 21:34

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
総集編うるしさんと1月の山形神室(平成26年1月25日) HITOIKI Blog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる