娘が山ガールになりたいということで水晶山に登った。猪野沢から天童へと周回した。山頂近くの岩の表面には砂粒くらいの水晶がキラキラ輝いて見えた。 娘のアパートのある仙台には10時少し前に着いた。そこから二人で関山に向かい東根市の猪野沢の水晶山登山口に着いた時はもう昼近くだった。駐車地点には地元らしいおじさんが山菜取りの籠を持った女性達に地図を出して話していた。鳥居をくぐると日差しも柔らかくなり野鳥の声も聞こえて来た。熊注意の看板の通り、道には大量の糞があった。記念に写真を撮ろうかと思ったがそれは娘のi-podに任せた。でも、撮らなかったようだ。駐車地点から咲いていたカタクリに加えてこの春最初のキクザキイチゲが一輪咲いていた。カメラに収めると娘は周りにまた数輪の仲間を見つけて私に教えてくれた。ショウジョウバカマにも1年ぶりで会った。娘はこの実を食べたことがあると言って教えてくれたのはアオキだろうか。 次第に傾斜が急になり運動不足の娘に合わせてゆっくりと歩いた。前回に藪漕ぎした天狗岩のある稜線が天空を縁取って見える。山中で迷った時はあのような稜線を目指すんだよ、と娘に話した。沢を下って崖や滝の上から滑落したりしないように、山の先輩としてアドバイスした。猪野沢からのルートはガイドブックには紹介されているが地形図にはない。実は私も初めて歩く道だった。山道がどのようについているかは、これまでの経験でいくらか予想できるようになった。平板な傾斜を直上するような道はまずない。尾根がない場合には九十九折りにジグザグ状に道は切れている。前方に道が見えなくなったら後ろを振り返ること。基本を教えた。今度は沢が登山道を横切る時に取りつき場所の探し方を教示したい。素直に娘は聞いていた。 トラバースの道も足元は安定していて、その先はさっき見た稜線に合わさることが分かる。山腹の上の方からカタカタカタと啄木鳥の叩く音が微かに聞こえて来たから、娘に告げる。二人で耳をひそめた。天狗岩への分岐に着いた。水分を取って写真を撮り合った。山頂から下るとここで右に大きく曲がることになるが天狗岩の方に迷い込みそうだ。ここから山頂まで30分くらいと思ったが鞍部を越えて見上げてもさほど近くなっていない。芽吹き出した緑や麓近くの桜色に里山の春を感じた。 六角清水の案内があって水場を覗き込む。奥の方から湧水の微かな音が聞こえるが足元には湿った土しか見えなかった。山頂までの岩場では、その表面に水晶らしい小さな粒が光を反射していた。娘は手の平くらいの輝く石を拾って見せてくれた。足場が悪くなってトラロープが頂上付近から垂れていた。それには触れずに急な所は両家で確保して登り詰めると神社の屋根が見えて来た。その石段に娘は座り込むと小豆粒くらいの水晶を見せてくれた。娘は探すのが上手だ。失くしたものも探し出してくれる。その素早さに逆に疑われる程だと。山頂にも水晶のかけらが転がっていた。タイマーにして二人で写真を撮った。大東岳が二つの面白山を従えて青白く輝いていた。 山頂で食事をしてから御室と乳母の乳を見た。御室ではお下げ髪の少女の顔が顔面に浮き出て見えた。神社に戻って天童側に下った。蚊柱が立っていて立ち留まらずに走りぬけた。虫よけスプレーを娘にもかけてやった。七曲がりを下るとコシアブラの木があった。新芽が膨らんでいた。六角堂に入って登山帳に記帳した。そこから林道を下り先週歩いた周回路を探した。標識があったのですぐにわかった。周回路には新しい踏み跡もあった。鶯の声を聞きながら駐車地点に戻った。 猪野沢登山口(11:28)−天狗岩分岐(12:05−12:08)−水晶山山頂(12:40−13:27)−谷地中分岐(14:31)−猪野沢分岐(14:52)−猪野沢登山口(15:04) 水晶山 668m 往路 1時間12分 復路 1時間37分 移動距離 6.5km 総上昇量 552m 帰路、天童の谷地中分岐が見つけにくかった。谷地中の駐車地点まで行かずに、車道を右折すると分岐が見えた。周回路は先週歩いたので迷わなかったが棚田手前から左折するのを忘れそうになった。周回は逆コースだと初心者の娘には山頂下の下りが危なそうに思った。 |
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