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zoom RSS J.L.ボルヘス『伝奇集』(刀の形)

<<   作成日時 : 2015/01/02 23:04   >>

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 岩波文庫「伝奇集」  167頁 「一人の人間のすることは、いってみれば万人のすることです。ですから、ある庭園で行われた反逆が全人類の恥となっても、決しておかしくはないのです。」
 ボルヘスは「七つの夜」の第四夜 仏教の中で、主要な幻想のひとつに自我があります。・・・「(人は)思う」、「(人は)苦しむ」と言って、主語を避けなければなりません、と話している。すなわち、雨が降るとは雨がある行動を行っているのではなく、何かが起きているわけである。
 刀の形の傷は人であれば誰でも持っているということだ。そう思っていた。それは、他人に対する許しの心。しかし、今読んでいる「テヘランでロリータを読む」の中で「真実を見つけ出すひとつの方法は、私たちがしたように、想像力を駆使して二つの世界を明確に表現しようと努め、その過程を通じて、自分たちの夢とアイデンティティに形を与えることではないかと思う。」とあった。革命のイランの中で、読書会を開く。西洋を否定した時代は、今も同じのようだ。ナフィーシーはイスラムと西洋の狭間で自我を見つめていたのだろう。西洋に向いただけで自己を否定される政治状況のなかでは、自我(アイデンティティ)を幻想を片付ける訳にはいかないだろう。しかし、ボルヘスとて南米に居て変わりはないようにも思える。
 山に登り、山毛欅の道を歩き、自分に向かう瞬間。その自分はアイデンティティを持っているのか。自分探しの為に山に登る人は多いだろう。その自分はもしかすると刀の形を顔に刻まれたシェークスピアと同類なのかもしれない。探し求めた自分なんて、どこにでも、いつの時代にでも転がっている、ただの人間に過ぎない。行動なんかするわけでもなく、起きているといえるだけ。でも、雨が降る、というようにその歩みの瞬間が思えるような、そんな自分に出会えるのが山行の目的かもしれない。
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