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zoom RSS 草紅葉の念仏ヶ原(平成27年9月14日)

<<   作成日時 : 2015/09/15 22:21   >>

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遅い夏休み。やっと降水確率0の予想。3時にしっかり起きて肘折温泉に向かう。昭和の雰囲気漂う温泉街で水を補給して、ザックにはこれで3L。それに今日はボロネーズ。これだとタンパク質も摂れそうだ。登山口までの林道は下見の時と同じで大雨の影響はなかった。5時45分にしっかり刈り払いされた林道を歩き出す。九十九折が過ぎると南の方に山並みが見えてきた。月山かと思ったがたぶん村山葉山だろう。朝日が林を照らし出した。大森山西鞍部には40分で着いた。いつもならそのまま歩き続けるところだが、先達の記録を参考にして腰を下ろして林檎を食べた。朝食は3時に済ませたので6時30分のおやつというところか。これで心にも余裕が出てきた。今日は憧れの念仏ヶ原だ。
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 腰を上げて林の中に入る。少しして足場の悪いトラバースの細道になる。こんな道が念仏ヶ原避難小屋までの4時間余り、永遠のように続くとはその時は夢にも思わなかった。木の根や石に苔が生えている。いつも間にか日差しも隠れ、静寂が漂う。右下を覗き込むと流れのない沢が見えた。これが修行の道だろうか。石の上に胡桃かと思う丸い実がたくさん転がっていた。帰りに手に取ってみると栗の実のようだが、そばに見えるのは山毛欅の木のようだった。家に持ち帰って娘に見せたら栃の実と教えてくれた。
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 赤布と共に緑のタオルのような布が木に掛けてあった。忘れ物のようにも見えなく、やはり道しるべだろうと思った。帰りにその場所を過ぎようとすると、テントの準備をしている男が一人いた。場所取りの印だったのだろうか。それにしてもうら寂しいこんな沢沿いの林の中で夜を明かすとは筋金入りの山人だ。杉林を過ぎると登りとなり、山毛欅が目立って来た。木肌の縞模様がわずかに色合いが違って見えて、朝霧の湿りをもらってかほんのり輝いて見えた。
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 水音が聞こえ出して、道は下りになった。それにつれて辺りは暗くなってきた。猫又沢と標識にあった。雨粒も落ちて来て、寂しい気持ちになった。随分歩いて森の奥に分け入ったと思ったが、まだ、3キロ、1時間20分しか経ってない。展望のない森の中を一人。体力や歩く技術よりは精神的にまいりそうだ。沢を渡るとピンクの花が咲いていた。立ち止まってレンズを向けたら慰められた。また長い九十九折の坂が続く。林のない展望台のような処に出て麓を見下ろした。みるみるガスが流れて裾の山々が顔を覗かせた。
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 沢の音が聞こえ例によってまた下りとなる。軽く沢を渡って泥濘に足を入れると右足が脛までぬかった。いや、左足が前に来ていたので途中で引き上げられたのかもしれない。帰りにストックを指してみたが底はわからなかった。すぐ先にはまったく濁りのない沢の流れが待っていた。泥を落として、恐怖心も洗い流そう。地図を取り出して現在位置を探した。V字の谷沿いを歩いてそれから小岳に差し掛かるようだ。もうすぐ国立公園表示板が見えるはずだ。しかし道は細くなるばかりでダイモンジソウが両脇にあってなおさら足の置き場所に困った。
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 高度を上げると雲から逃れたようで青空が見えて来た。午前9時近くの陽光が木漏れ日になって真っ直ぐな行く手を飾る。足取りも早くなってきた。天井を遮っていた林はようやくなくなって青空が広がると表示板が見えた。そこからの階段も人の営みが感じられて嬉しくなった。坂がゆるくなると木道の周りに草原が広がった。その木道の先に小岳の標識もあった。休まず草原を歩いた。谷を見下ろすと山吹色の湿原が下まで繋がって見えた。
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 もうここからは見たことのない湿原で続き歩みは留まるところを知らない。小屋までは下りとなるが、樹林の影からついに月山が雲を携えて見えた。三角池の幾何学模様の木道からは月山が眼前に迫ってくる。こうして8キロばかし歩いた午前10時前に念仏ヶ原避難小屋に着いた。予定ではここまでだったが小屋からの帰り時間は午後1時の予定なのでまだ3時間はある。山ごはんに1時間としても11時までは先に行けそうだ。足が止まらない。それで清川橋の工事状況を見に行くことに。当然、念仏ヶ原の草紅葉を楽しみながら。
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 月山山頂が雲から抜け出すのを草原を歩きながら見守り続けた。まだ、時間はたっぷりある。清川橋までは急な下りだった。高度を150mくらい落とすと岸壁をコンクリートで固めて、パイプで借りの橋が架かっていた。途中で作業員のような方に草原でお会いしたが、工事は中断していた。足場が固まるのを待っているのだろうか。向こう岸を眺めて折り返した。
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木道が二重になっているところで山ごはんにした。まず、スパッツと靴を脱いで月山が見える位置で腰を下ろした。ゆっくり1時間念仏ヶ原を独り占めした。スパゲッティを茹でた湯でネギ塩スープ。ボロネーゼの後は定番のトマト。今日は珈琲のつまみに干しぶどう。これでナトリウムとカリウムが取れる。足にはいいだろう。調理に夢中で月山の雲の具合に注意が回らない。ふと目を上げると雲が切れて頂きが見えた。ここからの山容はあくまで嫋やかで、姥沢からの三角形とは別人のようだ。ああ、山は登るものだけではなく、眺めるものなのだ。ゆっくり山ごはんと味わいながら。
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帰路は花を眺め、沢の水で顔を洗い、夕日を映す山道を踏みしめて4時間余り。肘折温泉で汗を流して、自宅には午後7時に着いた。
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
念仏ケ原は良いところですね。
心配していた橋は修理中ということが分かって安心しました。
来年こそ念願の念仏小屋泊りで行ってみたいと思います。
morino
URL
2015/09/16 12:25
morinoさん、こんばんは。
山形の山を登り続けていますが、念仏ケ原は最高です。毎週でも行きたいくらいです。月曜日だったためかもしれませんが、静かなのが何よりです。それに匹敵するのは三方境から以東岳を仰いだ時くらいでした。ぜひ、おいでください。
HITOIKI
2015/09/16 22:05

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