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zoom RSS 怪峰火打岳に立ち竦む(平静27年10月4日)

<<   作成日時 : 2015/10/05 22:33   >>

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 夜明けが遅くなり、ようやく空は赤く染まりだした。親倉見の刈り入れ半ばの田を過ぎ、横川、志茂、法田と過ぎると左手に道路を見る。そこを曲がって上横川に出て横川に戻る。もう一度、親倉見の登山口に戻り、メーターを0にして、林道を経由にて白川渓流公園に駐車する。登山口から10kmだった。スパッツを履いて林道を西ノ又沢沿いに歩くと車が向かって来た。サングラスをかけて登山者の様だった。1台をデポしたと思ったら、やはりカーブで広くなった林道脇に宮城ナンバーがあった。
 西ノ又沢の流れは澄んで淀むところなく、この沢を帰路に渡渉せずにすんでほっとした。登山口は川原の脇にあったが藪っぽかった。ここまで1時間、日暮れまで10時間。それまでに小又、火打、大尺、槍ヶ先と縦走し、親倉見に下山しなければならない。後は車道をヘッドランプを点けて白川渓流公園まで歩けばよい。ピークだけではなく、麓の田園も楽しもうという山旅。
 ブル道を過ぎると急な登りで滑り易く、已む無く2本のストックのゴムを外させてもらった。これで、両手で土を捕まえることができる。小又が遠望できる山の神の石碑のある空き地で林檎をまず1個食べた。朽ちかけた賽銭箱があった。槍立を右に見ての1111mのピークを過ぎると冷風が強くなった。心地良いというよりは寒い。ダウンジャケットを羽織った。下り切ると山毛欅が綺麗だった。その樹間から小又山が覗く。トラバースの木の根の細道で左足が靴の中でわずかに泳ぐ。紐をきつめに縛った。
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 小又山山頂で偶然、この日の唯一の山を歩く人に会った。新庄出身とあって、嬉しくなった。山頂写真を撮りあった。根の先沢から周回して来たと。あの水に飢えた7月を思い出した。あと時、師匠のSさんが火打までの稜線を僕に指さしてくれた。林檎をまた1個食べてその稜線を歩く。見下ろすと錦秋の帯が北側に伸びる。南側は幾重にも折り重なった山襞とむき出しの岩盤が谷底へと誘う。
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 その稜線の向こうには両翼を広げた怪峰火打岳が雲を背にして黒くこちらからを睨んでいる。近づく程にその威圧はいや増して、その嘴のような偽ピークを間近にしてはもう立ち竦むばかりだった。反り立った頂きの南側はここも岩肌がむき出しになっていて、そこまでの急な登りを強風を案じ、両ストックで確保しながら高度を上げる。しかし、岩場ではそのストックが足に絡みそうになる。どこを見ても人の気配はなく、ガサガサという風かクマのたてる音に怯える。
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 風がなければと願っても儚いばかりで、つかむものもない、ダートな急坂を登り終えると火打岳山頂に立った。フリースのジャンパーと耳が隠れる帽子に手袋をして展望を楽しむ。食事をとることもならず、新倉見までの下山ルートを目指す。ここからは何度も歩いた稜線ですこし余裕も出た。U字に歩いた稜線を辿ってはヤッホーを一声あげた。もう8時間は歩き続けているが終点は眼下の田園の向こうだ。
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大尺山を過ぎてもう槍ヶ先かと思ったがまだまだ見えて来ない。高度を下げると錦秋の色はさらに鮮やかになって来て目を見張るばかりだが、これが最後の登りかと何度思ったことか。急に暗くなりだして帽子から雨音が伝わる。フリースもしっとりしてきた。しかし、麓は雲の向こうに黄金色が広がっている。光の帯も差して見えた。寒さを我慢して槍ヶ先からしばし八森の襞をカメラに収める。やっと樹林帯になって雨がしのげた。きつく縛った左足の甲が痛みだした。この下りで紐を緩めてはなおさら足が泳いで痛むだろう。歩幅を狭くして日没までの数時間もまた山の中で旅する。
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山毛欅林となって空腹を覚えた。今まで林檎2個だけだ。それと塩トマト甘納豆を数欠片。レサスサンドを歩きながら、噛みしめるように食べる。極上の味がした。そこからは倒木があったり、崩れたトラバースがあったり、ロープが脇にあったりとまだまだ気が抜けなかった。それでも登山口から8時間で新倉見に着いた。ザックの中の飲まなかった凍らせておいたペットボトル2本の中身を捨てた。ザックのなかに潰れかけたトマトがまだ冷えたままであった。一度にかぶりついた。生き返る。それから靴の紐を緩めて田園の旅を始めよう。
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 自宅に帰宅時間をメールした。車に気をつけてとのこと。刈り取り前の田園を見ると自分の根っこを見たように思えてくる。上横川を過ぎる頃に暗くなってきた。ヘッドランプを点けて対向車に知らせた。法田から林道に歩くには肝が小さくて街頭のある車道を歩いた。スピードを落とす車はない。東法田の窓塞をすぎると街頭もなく、ヘッドランプを手で遮ると満天の星が落ちて来そうだ。駐車地点に着くと、もう一度星空を仰いで家に向かった。
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