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zoom RSS 寒波の夜をテントと共に(平成29年2月11−12日)

<<   作成日時 : 2017/02/13 22:25   >>

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 日本海側を中心に大雪となり、山形市にも大雪注意報が出された。買い出しに行く空も青空が見えたかと思うと猛吹雪に変わった。玉ねぎと鱈の切り身を買う。逡巡する気持ちを振り払うように太陽が見えてきた。夕からの用事のために西蔵王キャンプ場に必要な物を運んでテントを張る。用事を終えて南駐車に向かう頃は日も暮れてまたもや吹雪いてしまった。車を置いて段ボールに薪15本ばかりと焼肉、焼き鳥、ネギを詰め込んで、新雪の道をラッセルする。400メートルが長かった。日は沈んだが雪面は怪しげにどこからかの明かりを映し、キャンプ場までの道は僕を導く。テントはしっかり竹ペグで固定されていて揺らぎない。フライシートはうまく雪を落としていて、出入口は10センチくらい雪で埋まっていた。お待ちかねの焚火の準備だ。薪はもう雪を被っていた。日が回ったかに思えてグリルスタンドをのせたが炎は萎んでいく。グリルスタンドを外して、薪を円の中心に向けて山のように立てかけてやり直す。今度はうまくいった。グリル スタンドを載せて、焼き鳥を焼いて飯ごうの準備をする。焼き串まで火がまわった頃にはいい具合で、立て続けに3本頬張った。塩が効きすぎてしまったが、吹雪で冷えた体には答えられない。飯ごうをグリルスタンドに載せて焼肉を焼く。肉からの油も滴って炎はさらに勢いをました。飯ごうの蓋を開けるがまだ水が残っていた。ヤマカンで焚き続けがまずまずの出来で、お焦げもあるご飯の上に肉を載せて食べながら残りの焼き鳥を焼く。火の弱い端に乗せると今度は焼き鳥は寒波を受けたかすこし冷たくなってしまった。満腹になって、今度は湯を沸かしてコーヒータイム。まだ薪は十分ある。雪を溶かして持参した湯たんぽ用に湯を沸かす。満タンの湯たんぽを尻に引いて残り火を眺めて寒波の夜が暮れて行く。
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  火を消したが雪面は仄白く明るさを残し、テントを浮かび上がらせていた。熊にとられないように残った食材を抱えて、入り口の紐を緩めて、長靴の雪を気にしながらテントに入った。雪はどうしてもテントに入る。靴下が濡れないようにダウンの靴下カバーを履く。それから防寒用のズボンを重ね着しダウンジャケットも重ねた。3本用のロウソクランタンに火を入れてぶら下げた。湯たんぽをシュラフの中に入れて自分のからだも入れた。雪を運ぶ風の音がフライシートごしに聞かれる。森の静かな声に包まれてキルケゴールを読む。12時を過ぎると湯たんぽがぬるくなってきた。湯を温め直そう。2L以上は入る湯たんぽの水を沸かし直すのは大変だった。水筒やらコッヘルやらに水や熱湯を移し替えすことを繰り返すと暖かい湯たんぽに再生できた。火を使ったのでテントは温まり、湯たんぼで足元はぬくぬくだったが、本を持つ腕がシュラフから出て、肩から上はまた冷えてきた。眠れそうにない、いや、眠らなくてもいい、この寒波の森の夜をテントと共におくれるならば。
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 野鳥の声に目がさめた。いや、目覚めたような感覚はない。まどろみから我に返ったというほうがいいか。ラジオをかけたりしてからだが目覚めるのを待った。それからテントの煙突から外を覗くとフライシートは凍っていた。8時過ぎに起き出して、湖畔を散歩した。まだ残る朝焼けの空の下、凍りついた湖面もこころなしか色づいているように見えた。テントに戻って、バカリョアーダ風トマトスープ煮を作ろう。オリーブは凍ってしまってナイフの先で掻き出した。玉ねぎを炒めるとテントの中は煙に埋まって、僕の目は涙で埋まった。それから、多めのトマトを入れた塩を少々。鱈を入れて水を鱈が埋まるくらい入れて、自身がなかったが鍋キューブも一個入れた。煮込んでから米をパラパラと撒いた。コッヘルに半分くらい移し替えて頂く。冷え込んだからだが溶け出すようで我ながらう上出来だ。女房にメールしてからまた本を取り出す。すると、どこからか銃声が聞かれた。聞き耳をたてると追い立てるような声も聞こえる。狩りだ。このままテントにいていいだろうか。猪と間違えて撃たれたニュースを思い出す。森で一番怖いのは熊ではなくて、猟師だ。しばらくは猟師の声に悩まされたが銃声はもう聞こえなかった。やれやれして、それでもテントからは出ないでコーヒータイム。キルケゴールも最後の1ページとなる。藤野寛は僕の一つ年上で同世代と思うと親しみを覚える。昼近くになって、飯ごうを炊いてカレーライスと残りのバカリョアーダを食べる。テントを仕舞って、残ったネギをザックの脇の焚火台の反対側に結わえて、ザックに入りきれなかった荷物を右手に、ショベルを左手に杖代わりして歩き出すと、スノーシューで向かってくる方にお会いした。車だけで踏み跡も無いのが不思議だったと聞くと、心配かけてすいませんでした、と答えた。
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https://www.flickr.com/photos/hitoiki/albums/72157676768610393/with/32713182012/

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コメント(4件)

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感激しますね。極寒の山の中で一人でキャンプは経験ありません。
しかし、湯たんぽが冷めてしまったのを暖め返さなかったら大変でしたね。

本を持参のキャンプ気持ちのゆとりを感じます。ナイスです。
hassy
2017/02/15 21:06
hassyさん、こんばんは。
ありがとうございます。こんな寒い時期にキャンプなんてと、笑われるのが落ちかと思っていましたが、ナイスとは嬉しいです。山は楽しむばかりでなく、人を鍛えてくれます。遠くには行けない(携帯が届く範囲)状況で、自然に近ずけるかと、試してみたかったです。テント内での読書、本に書かれていることと、自分がどんな姿勢でそれを読むか、その場をテントは教えてくれるように思います。
HITOIKI
2017/02/15 21:31
雪の中で一人でテントで寝るのは経験がありませんが、憧れます。昔バイクで出掛けた先でテント泊していましたが、子供の頃にあちこちで探検遊びをしていた頃のようなドキドキ感がありますよね。雪の中ならなおさらです。
うるし
2017/02/16 21:07
うるしさん、こんばんは。
実は携帯持参でいつでもスタンバイ状態でしたので、もう半分は自宅と同じです。それでも、非日常感覚は楽しめました。次の日の自宅の布団が暖かかっとこと。
HITOIKI
2017/02/16 21:23

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