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zoom RSS 長井葉山湿原、雨あがる(平成27年8月29日)

<<   作成日時 : 2015/08/29 22:13   >>

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 お盆が過ぎて急に涼しくなってきた。うだるような暑さから、一転、秋めいてきた。というより、肌寒い。雨の週末、長井葉山の湿原を歩こう。ここは今年2回目だが、この季節に白兎コースを登ったことはない。雪のない尾根はどうなっているのだろう、興味を抱いて雨の中、長井に向かった。山は雲の上に稜線を覗かせていた。これからあの雲の中を歩いて、それから稜線を歩けば、足下には雲海が広がっているだろう。
 森林公園には週末の9時前だというのに車の姿はなかった。雨の山歩きの楽しさがわからないのだろうか。それは、雨音がカッパや林の緑に落ちる音を聞きながら、雨に湿った何年もの落ち葉を踏みしめながら、雨に洗われて素肌のままの赤松や山毛欅の幹を愛でて、遠く霞む山並みを望む。それから、時々、獣の体臭にびっくりして笛を吹く。足下を見れば蛙や名も知らぬ茸が傘を広げている。
 そんな林のドームの下を3時間程登ると長井葉山奥の院に着いた。ちょうど雨があがった。ザックを降ろして、ケルンの向こうの潅木の上を泳ぐようなガスを見送る。汗が引いて芯まで冷えてきた。これが8月とは思えない。それでも、しばらく佇んだ。肌に感じる程の風はない。ほとんど無音の山頂でラジオの音が僕をなぐさめてくれる。
 春に歩いた八形峰までの道の脇に湿原があるようだ。奥の院から折り返して、その湿原まで足を延ばす。途中、刈り払いのないトラバースは羊歯が道を隠していた。それでも、程なくして湿原に着いた。ここは、小屋脇の湿原よりも、夏道のそばにあってもう草紅葉が広がっていた。その黄葉に被さるように靄が垂れ込めている。ああ、来て良かった。僕は座ることもせず、ただ立ち尽くしてしまった。池塘には枯れてしまった穂先や、これから花をつけるのか青々とした葉を伸ばすものもあった。いるはずのトンボは何処へ行ったのか。そこは、もう秋も深まっている。
 寂莫の湿原を後にして避難小屋に入った。驚く程、綺麗に履き清められていた。靴をまず脱いでから、濡れた雨具やシャツをを脱いで干した。ザックからフリースを出して着たがまだ寒かった。それから山ごはんの準備。今日はスパゲッティ。それに生姜のスープ。これでやっと温まった。でも、ズボンは冷たい。それで、珈琲を沸かす湯を多めにして、スチーム暖房にしてみた。程よく温まった。トマトもナイフで4つに割ってリフレッシュ。しばし横になってから帰り仕度。林檎がザックから転がった。もう食べ切れない。床を綺麗にして、日誌を書いてから帰路に着いた。
 帰りはフリースに雨具を着たが暑くはなかった。それに、耳当てのある冬用の帽子まで被ったが。風もないのにどうしてだろうか。まだ、体の芯は冷えていたのだろう。手袋をするほどではなかったが。雨があがっていて良かった。高度を下げると雲の中に入っていくのがわかった。それは尾根の南側だけで、北はくっきりと雨あがりの林の清々しさに満ちていた。雲海の向こうには色付き始めた田園が見えてきた。歩き出して7時間も遠に過ぎた頃、ようやく僕は足取りも軽くなって駐車地点に戻った。
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
晴れの日よりも苦労して辿り着いた人間に、植物はいつもより生き生きとした表情で応えるんですね。
自分も天気を気にせず出掛けてみようかな、雨も霧も自然の一つなんだから。
追い風
2015/09/01 01:07
追い風さん、こんばんは。
この時期は雨のほうが気温が上がらないので、雷や強風がなければ、苦労せずに登れました。怖いのはクマです。ザックカバーにクマ鈴が隠れたり、雨音で人の気配がわからなかったりとで、笛を吹いては歩きました。遭難を間違われないようにリズムをつけて吹きます。
HITOIKI
2015/09/01 18:51

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