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zoom RSS 姥ヶ岳から石跳沢を下る(平成27年10月18日)

<<   作成日時 : 2015/10/18 21:40   >>

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 月山には春の銀世界から夏のお花畑、そして錦秋と楽しませてもらっているが、燃えるような紅葉の後の枯野の時期にはまだ登ったことがなかった。天候次第では降雪も覚悟して準備。しかし、日焼けしそうな程の秋空でリフトを降りて姥ヶ岳を登る頃にはもう暑くてばてて来た。それでも2時には月山山頂から枯野を見渡せるだろう。そう思いながら朝日連峰の裾野の青い山並みに足を止めてはハイカーの後ろに付いて歩いた。姥ヶ岳から湯殿山を望むと装束場の草原が目に飛び込んで来た。あの石跳沢源流の水場で山ごはんにしたい。そう思うと月山山頂はもう吹き飛んでしまった。金姥から下ると品倉尾根が肌色のままの素肌を見せていて、その向こうの稜線はわずかに赤く化粧を残す。さらに高度と下げると突然湯殿山が現れて、東側の山襞が風になびくようだ。
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 振り向くと姥ヶ岳は元の緑を取り戻していて、去年に見たあの赤や黄の色葉は全て枯色となって緑を生き返らせていた。まるで冬迎えのためにその青さを取り戻したかのようだった。水の音が耳に届くと目にはみなも(水面)が銀に変わる。僕はコップが置いてある、湧き水が流れる小さな泉のほとりにシートを敷いて、早速、泉の水を口にした。それから、その清水で湯を沸かして棒ラーメンを茹でて、その清水で珈琲を沸かして、その清水を水筒に詰めた。もう満たされた気持ちになって、やっとピークハントからも卒業できた自分が頼もしい。ザックを担いで石跳沢源流から下流へと、流れの音を聞きながら石を跳び下ろうとするが、登りと違ってうまくコンパスが合わない。石を降りて水に濡れながらゆっくり下る。
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 傾いた太陽を受けて石跳沢の向こうに湯殿山が褐色から銅色に輝く。その脇には赤や黄の楓が日を跳ね返す。僕は立ち止まって登らない山を見上げ、誰もいないこの谷間に唯居ることを噛みしめる。時がまた動き出して、紅葉のゲートを潜って、小川を渡る。向こうにはすっかり葉を落とした山毛欅が白く枝をうねらせて見えた。首の奪われた地蔵が何体かこちらを伺う。時代は移ろい、この修行の道は枯葉を抱いて静かな山旅に誘う。
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 野鳥観察の三角屋根の小屋は工事中でロープが張られていた。その向こうの藪を越えると周海沼がある。水辺まで寄ろうと干上がった草原を渡るが間に小川があって、その淵沿いに歩くと次第に土はゆるくなって来た。しかたなく小屋に戻って沼の反対側に行こうとしたが行き止まりの柱があった。日もさらに低なって折り返した。これからは駐車場までは古道を登る。夕日は雲間から少しだけ山毛欅を色づかせるがカメラを待ってはくれなかった。遠くの山の頭だけは日を浴びて朱に染まっていた。山旅の終盤の登りは辛く、汗が吹き出て来た。やっと舗装された道に出ると、ヒュッテの玄関ではトタンの覆いの準備のために男がかがんでいた。
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コメント(10件)

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やはり紅色が多いと紅葉は映えます。紅はカエデでしょうか、ナナカマドでしょうか、それともドウダン?
会津の秋も素晴らしかったですよ。
まこ☆にい
2015/10/19 12:52
まこ☆にいさん、こんばんは。
カエデの赤が綺麗でした。会津に来られたんですか?福島の酒はどうでしたか。箕輪の帰りにキキザケセット買ったのですが、美味しかったですよ。
HITOIKI
2015/10/19 17:36
飲み過ぎそうなメンバーが居たので日本酒禁止に(笑)。
夕食前に只見川沿いや駅裏の
神社辺りをビール片手に散歩しました。相変わらずコンビニもない町ですが、只見とか檜枝岐はそのままでいいですよね〜♪
まこ☆にい
2015/10/19 23:09
こんにちは。ブログを教えて頂いて参りました。
この夏山形にやってきて、まだ月山を含め山形の山々には登っていませんが、身近なところから少しずつトライしたいと思っています。まずは靴選びが重要ということで、勉強したいと思います。過去の記事も拝読させて頂きます。今度ともどうぞよろしくお願いいたします。
山形県1年目
2015/10/20 14:28
まこ☆にいさん、こんばんは。
ビール片手に散歩、若い頃を思い出します。今は西蔵王の湖畔でビール。山形、いい所ですね。檜枝岐に行った帰りのコースカツ丼(草鞋サイズ)美味しかった。
HITOIKI
2015/10/20 19:47
山形県1年目さん、こんばんは。
山形は山はもとより、最上川、果実、米、酒、蕎麦、温泉と楽しめますよ。
HITOIKI
2015/10/20 19:50
この週末は、秋晴れの山歩き日和でしたね。
湧き水でラーメンを茹で、コーヒーを煎れる・・・光景が目に浮かぶようです。
私も久しぶりに龍山前滝コースを登りました。
色づいた葉の間から差し込む木漏れ日の道がとても素敵でした。
KOMOREBI
2015/10/20 20:51
KOMOREBIさん、こんばんは。
時間をうまく使って楽しむことはいいことですが、山に行く事が自宅でごろ寝しているような、気ままな登山が理想ですね。龍山前滝もそろそろ霜が下りて来ますね。足下に気をつけてお楽しみください。
HITOIKI
2015/10/20 22:02
石跳沢源流
そういえばあの川が石跳沢源流なんですよね〜
そんなこと考えずに登っているから、登山が薄っぺらになってしまうんですよね〜
凄く考えさせられました。
 一度山頂へ行ったらその山の良いトコ探しに歩くっていいですね〜
トシヒコ
2015/10/22 05:41
トシヒコさん、こんばんは。 年を取ってくると、どうも、歩くよりも、休んだり食べたりするほうに気を取られるようになってきました。沢の近くで飲んだりするのが一番かなあ。
HITOIKI
2015/10/22 21:06

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